
![]()




「世界に誇る、日本のウイスキーをつくりたい」そんな思いを胸に、サントリー創業者・鳥井信治郎が山崎蒸溜所の建設に着手したのは1923(大正 12)年の10 月。それは、関東大震災という当時の日本を揺るがす災害から1ヶ月後のことでした。 震災の影響で景気も低迷する中、高級品であり、しかも製品化までに最低でも数年はかかるウイスキーづくりに日本で初めて挑む。そんな想像を絶する困難に立ち向かう信治郎を支えていたのは「洋酒報国」、すなわち「優れた洋酒づくりで、この国を報いたい」という強い信念でした。
そんな信治郎の意志を受け継ぎ、サントリーはこれまで、スコッチの技法に学びつつも、日本の風土を活かした、独自の味わいを持つウイスキーを追求してきました。そしていま、サントリーのウイスキーに、世界の賞賛が集まっています。世界的に権威のある酒類コンペティション「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2010」で、シングルモルト ウイスキー「山崎 1984」は、全エントリーの中で傑出した一本にのみ与えられる「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞。また、サントリー酒類(株)は、最も高品質で多彩な製品を生み出した一社に与えられる「ディスティラー オブ ザ イヤー」を受賞。どちらも日本企業として初となる快挙を成し遂げました。
そして、この2011年、サントリーはシングルモルトウイスキー[山崎 50年]を発売します。日本のものづくりの精神が宿った、至高のジャパニーズ・モルトウイスキー。その一杯は、私たちにこの国の美しさ、そして力強さを改めて気づかせてくれることでしょう。

サントリーが所有する、極めて貴重な超長期熟成モルトたち。今回の [山崎 50年] の為に厳選・吟味された酒齢50年以上の様々なモルトで構成されて生まれるのは、優美で複雑・繊細、そして神秘的ともいえる香りと味わいです。香味の主体となっているのは、今や海外でも非常に高い評価を得ている、日本独自のミズナラ樽で半世紀もの歳月を眠ったモルト原酒です。

京都郊外・天王山のふもと。1923年に日本初のウイスキー蒸溜所の建設が始まった山崎は、かつて「水生野」とも呼ばれ、万葉の昔から多く歌にも詠まれた「名水の地」。千利休が豊臣秀吉のために茶室「待庵」を築いた場所としても知られています。
サントリー創業者・鳥井信治郎が、山崎にウイスキー蒸溜所の建設を計画したのは、「この地の竹林に湧く伏流水は、複雑な香味や重厚なモルトをつくるのに最適」という調査結果を得られたからでした。天王山を源として、長い歳月をかけて大地に磨かれた、やわらかで清らかな水。それを仕込水とすることで、信治郎は「日本の風土に根ざした、日本人のためのウイスキー」を目指したのです。
また、宇治川、木津川、桂川が重なり合う「三川合流」の地である山崎は、湿潤で霧が発生しやすく、ウイスキーの貯蔵にとても適した気候。この場所は、まさにウイスキーづくりの理想郷ともいえる場所だったのです。



山崎のモルトが貯蔵される樽は、一種類ではありません。材質や容積、山崎の貯蔵樽になるまでの来歴など、さまざまな個性を持った樽で貯蔵がおこなわれています。その中でも、もっとも特徴的といえるのが、国産の「ミズナラ樽」。創業以来、山崎蒸溜所ではスペイン産のシェリー樽も使っていましたが、戦中・戦後にシェリー樽の入手が困難になり、日本産のオーク・ミズナラで樽づくりを試みることになりました。
ところが、このミズナラは材質的に原酒が漏れやすく、硬質で加工も難しく、製樽の作業は苦労の連続だったといいます。しかし、そんな苦労から数十年を経たいま、山崎のミズナラ樽は国内はもちろん、海外のブレンダーやウイスキー通からも高い評価を得ることになりました。香木の伽羅を想わせる、オリエンタルな香りの原酒を育むミズナラ樽は、いまや山崎になくてはならないものとなっているのです。
このミズナラ樽やシェリー樽をはじめ、バーボンの貯蔵に一度だけ使われた「バーレル」、そのバーレルを組み直した「ホッグスヘッド」、北米産ホワイトオークの「パンチョン」など、山崎では多様な樽でモルト原酒が貯蔵されています。



ウイスキーの味わいを最終的に決定するマスターブレンダーは、初代の鳥井信治郎から2代目の佐治敬三へと受け継がれ、現在は3代目の鳥井信吾。そのマスターブレンダーのもとで、ウイスキーづくりの全体を統括するのがチーフブレンダーの役目です。現在、サントリーのチーフブレンダーを務めているのは、4代目となる福與伸二です。
山崎蒸溜所の敷地内にあるブレンダー室で、ウイスキーの品質管理や製品開発に取り組むブレンダーたち。多彩なモルト原酒の個性を把握して絶妙なバランスでヴァッティングする、その匠の技なくして、山崎の味が生まれることはありません。彼らがテイスティングする原酒は、多きときには、1日300種類以上にもおよぶといいます。
また、原酒のピークを見きわめ、未来に向けてどのような原酒が必要かを判断するのも彼らの仕事です。サントリーが所有する大量の原酒を把握するには、ブレンダーどうしのチームワークも重要。また、仕込みから製品化に何十年もの歳月を費やすことがあるウイスキーづくりは、「過去のブレンダーや未来のブレンダーとの共同作業」ともいえるでしょう。

![]()

![]()

![]()

![]()

![]()

![]()

![]()

![]()